一つ

よくある光景。

 

すごく人柄的にいい部分が目立つ人がたくさんいた。

 

でもその人達はたったの一つの行動で、マイナスな印象に変わってしまう。

 

シンクを拭いてくれたり、排水溝を掃除してくれたり、乾燥機のフィルターを掃除してくれたり、周りへの気配りであったり

 

その人達が、洗面台で足を洗ったり、飯食う机に素足を乗せたり、自分で濡らしたテーブルや床を拭かずに放置したり

 

もったいない光景。

 

俺もきっと何か見られてるやろうけど、自覚はしてる。

 

歯磨きしないとか、屁をこくとか、痰を大きな音を立てて吐くとかは、また違う次元の話。

 

人を見ながら共同生活するってゆうのも大きな勉強。

 

週末は外泊。

 

いっそと思ったけどいよいよしんどいし爆発する前に甘えよう。

 

あと少し。

あの絵

左下にいた自分が、右上に移動してた。

 

田んぼには少し稲が伸び

 

好きな色の家に住む26歳の住人。

 

色濃く塗られた部分と、全くそうじゃない部分。  

 

3mの穴から見上げる対岸のビル街

 

遠くに見える山と太陽

 

ジーパン姿、パーカー、フードをかぶりただただ一点を見つめる俺の後ろには優しい木。

 

過去、無意識の領域から、未来、意識の領域へ。

 

何を感じ何を得て入院生活を送るかは人それぞれの自由。

 

退院後、武勇伝的に入院を語る人間もいるやろうし、何も得ないまま社会生活に戻りまた帰ってくる人もいるだろうこの病棟。

 

外から見た時にどう見られるかは、中から見た時とはまた違う。

 

俺はただ、サポートしてくれる全てに甘え、得るべきものを得て帰るだけ。

 

新しい世界やな。

 

あと少し。

弱かった

今日の出来事も考えさせられる。

 

この2ヶ月半、たったの2ヶ月半、色々な事がありすぎた。

 

さすが精神病院。

 

たったの一言で救われたかもしれん。

 

そのたったの一言をためらい、遮断を選択した俺は正解なのか弱かったのか

 

弱かったと思う。

 

でも、もう遅い。

 

病気を分かったつもりではいたし

 

病人への接し方もわきまえてたつもりのあの頃。

 

今、健常者に向かっていく段階で薄れていってるんかもな

 

忘れたらあかん事

 

俺はアルコール依存性患者  

 

そしてつないでいかないといけない。

 

勉強やな、あと少し。

酒飲み

あのレベルの酒飲みだった俺は

 

酒飲みが大嫌い。

 

酔っ払いが嫌い以前に、コントロールを失って酒を飲む酒飲みが嫌い。

 

えらい自分勝手な発言、思考やでな。

 

酒に支配され、荒れ狂ったように酒を飲んでた自分。

 

酔っ払いはダサい、迷惑かかると分かりながらも止まらなかった嵐。

 

仲間と思ってた人達も、今は違う。

 

仕方ない話。

 

全員依存性患者、病人やから。

 

孤立は慣れてるし、嫌いじゃない。

 

寂しいとは思わない。

 

自分は自分で進めばいい。

 

何もすごくはない、えらくもない、かしこくもない。

 

ただ、向き合って適切なスピードで進んだだけ。

 

意志が弱いや強くやら、

 

あれこれ依存性特有の言い訳やらごたくは日々耳に入る。

 

違うんよな、意志が強いから周りのサポートに見放されず、入院にたどり着けた。

 

依存性は怖い病気、ややこしい病気、入院してから更に強くなったその思い。

 

これからは訓練の日々。

 

今は飲みたくない。

 

一生断酒は難しい、だから柔軟に

 

って考えだったけど。

 

俺は大丈夫、って今は思う

 

ではなくて、そう思わされてる

 

だから深いレベルでの柔軟さ。

 

武器は持ってた、足りなさすぎた。

 

俺は勝ったんや

 

現時点では。

 

これからは勝ち続けなくてはいけない。

 

飲みたくなったら飲めばいい。

 

飲みたくなかったら飲まない日々を続ければいい。

 

酒中心の人生、支配される日々、飲むなら選択を誤らずに飲めばいい。

 

今、ただただ幸せ。

 

お酒がいなくなっただけで。

 

それがでかかったんよな、そうでしか生き続けれないとゆう呪いにかかってた。

 

あと少し。

感情

心理士の先生と毎週カウンセリング。

 

感情を出す大切さ。

 

氷山の例え。

 

家族、親族とゆっくり過ごせるのを思うと嬉しい。

 

そして兄貴の入籍、ハッキリはまだ決まってないかもしれんけど

 

心の底から、酒なしに、本来の俺になって初めての記念すべき大きな感情

 

嬉しい、嬉しくて泣く

 

こんなに人間って涙止まらないのか。

 

感情人間が感情を出さない生き方をして

 

感情を出す為や、感情を消す為にお酒を飲む長い年月。

 

イライラしてた

 

無知な言動に。

 

動き出す手前だった。

 

変身するのを止めてくれた。

 

導かれてるって実感した、今までより強く。

 

俺が飲まない事を願ってる人を思う、これすら無駄に感じてた。

 

今はそんな思いが断酒につながる強い武器に。

 

一筋縄ではいかない歪んだ悪魔の性格。

 

退院後のプログラムや武器、薬、AA、断酒会、薬、通院

 

仕事より、依存性を優先に。

 

今までの優先方法ではなくてな。

 

あと少し。

手紙

今日は家族が会いにきてくれた日。

 

この入院生活で、様々な事を得た。

 

大人になって学ぶ場として、学校に似た感覚で過ごす毎日。

 

共同生活での他依存性患者。

 

日を増すごとに感じる自分の変化。

 

そして1番、家族の強さ、大切さ、深い愛。

 

口でよく言ってた1年間、「家族とお金の大切さは早く気付いたもん勝ち」

 

言ってたあの頃に感じてた熱量より、はるか高く、はるか大きく、はるか深く感じる今

 

それだけ遠い病気、そして遠く行く事を選んだ自分。

 

家族が1番分からん、1番遠い。

 

これは俺にも当てはまる事だった。

 

想像できなかった、微塵も

 

見当もつかなかった。

 

今、分かる。少しずつ。

 

それでも少しか、でもこれがあるべきペースなのか。

 

あの俺が、すごく遠い。

 

今までで最も。

 

病気について、病気の自分についてを優先してしかうまく生きれなかった。

 

うまく過ごせてた後ろには常に酒があった。

 

支配されてた。

 

肩の荷がおりてたんやと思う、あいつは。

 

感情をどうセッティングすればいいか分からない。

 

あーしてやれてれば、そう考えさせてしまう事については全力で消したい。

 

大抵の事は、答えが出るかもしれない。

 

アルコール依存性は、違う。

 

答えなんてない。

 

誰がどう導こうが、こうだった。

 

自分で気付き、認め、向かい合い、闘い、俺はラッキーな人間。

 

何も、すごくはない。

 

ただ、ラッキー。

 

俺、生きろ。

 

入院生活

2か月経過。

 

退院後の生活、社会復帰について考える。

 

そこまで不安はない、家族のサポートのおかげ。

 

いっぱい稼がなあかんとか、支払いとか、一旦全てリセット、願ってたこと。

 

色々あった2か月間。

 

人間について深く考えれた。

 

プログラム云々以上に、依存性患者達との集団生活。

 

入院前には1mmも考えなかった事を深く考えるようになった。

 

落ちこぼれ発言にはすごく悲しい気分になった。

 

依存性に対して、患者ですらこびりついた偏見。

 

落ちこぼれと同じ病院に入院してるそいつは何を思って生活してるのか。

 

プログラムを一生懸命受けてる患者、平気でサボってる患者、平気で遅刻する患者

 

経緯やモチベーションや意識のステージは各々で、難しい。

 

そんな入院生活もあと1ヶ月をきった。

 

得たものは大きい。

 

俺にもまだまだこびりついた偏見はある。

 

みんなかわいそうな人達。

 

経緯や意識は様々やけど、唯一の共通点は

 

みんなお酒で人生をおかしくした人達。

 

お酒の失敗はあれど社会で普通に生きてる人がいる中、ここに辿り着いた我々。

 

誰がひどい、誰は分かってない、そんなものに振り回される必要はない。

 

俺は、今でもこれからも依存性。

 

ステージが変わっただけ。

 

退院後か、、、

 

ビリヤード、キャンプ、トレーニン

 

今でもそう思うって事は選択は間違いじゃなかったんやな。

 

仕事仕事ってならんように思ってたけど、なってたな。

 

色々再スタートの36歳。